保育士試験の合格率
保育士免許を取得するための方法の一つである保育士国家試験ですが、毎年の合格率は10~20%程度とかなり低めです。
試験は毎年2回行われており、その試験によりかなり合格率にばらつきが見られます。
ちなみに平成28年度の試験実績だけを見ると、前期後期を合わせた平均は25.8%ですが前期(4月)試験は22.0%、後期(10月)試験では29.5%ほどです。
ここ数年では合格率が上昇傾向にありますが、もっとも低い数値だった平成20年度試験の実績は10.6%と難関資格と言ってもよい平均値でした。
なぜ保育士試験の合格率が低いのかとういと、それは試験科目が9科目の筆記試験と3つのうちから2分野を選ぶ実技試験という構成になっているからです。
全国にある保育士養成課程のある学校を卒業した場合、試験を受験することなくそのまま免許が取得できるということもあります。
保育士試験は国家資格であり排他的な業務ができる専門分野の資格であることから、近年では手に職をつけたいという女性からの受験者数が増えているのです。
また男性保育士も現在は約1%程度とかなり低めなものの、少しずつ数は増えてきており、今後はより受験者数が増加していくことが予想されます。
保育士試験の難易度
保育士試験でまず大きな難関となるのが筆記試験です。
学校で学ぶ場合は最低でも2年間のカリキュラムということもあり、科目数が9つとかなり広範囲から出題されます。
筆記試験の内容は「保育原理」「保育の心理学」「教育原理及び社会的養護」「児童家庭福祉」「社会福祉」「子どもの保健」「子どもの食と栄養」「保育実習理論」です。
細かく言うと8教科9科目の構成で、「教育原理」と「社会的養護」は本来別の科目ですが、試験ではワンセットとして出題されます。
合格ラインは60%の得点で、全ての項目で合格ラインに達していないと合格となりません。
ですので得意分野のみで高得点をとっても、他の科目が全く得点できていなければ不合格となってしまいます。
幅広い科目で平均的に合格点を出すための学習が必要となり、かなり計画的に勉強をしていかないといけません。
ちなみに項目別で合格ラインに達したものは、合格をした年度を含めて3年間はその科目を次回以降の試験で免除されます。
そのため年に2回試験があるということを利用して、あえて一発合格ではなく一年計画で合格を目指すという人も多くいるようです。
わざと最初の試験では不合格になることを覚悟しているということもあって、試験の合格率が低めになっているということもあるでしょう。
ただし実技試験は次回以降の免除になりませんので、筆記試験を通ったら実技試験は一発で合格できるよう対策が必要です。