子供同士のけんかの原因
「子供の喧嘩に親が出る」ということわざがありますが、本来的には子供と子供が起こすケンカというのはその後の成長につながる一つのコミュニケーションの練習であるため、大人が余計な介入をすることは避けるべきです。
しかしそれが保育所の中ということになると話が違ってきます。
保育所というのは子供を安全な環境で預かり、またそこで社会性や就学前に覚えておくべきマナーやルールを学ぶための場所です。
特に近年はご近所づきあいが少ないまま子供が育つ家庭も多いことから、ケンカをするにしても手加減がわからず放置をしてしまうことで大きなケガをしてしまうこともあります。
もっとも子供のケンカの原因というのは些細なものがほとんどで、自分の家庭の中のように自分本位の行動をとってしまった結果、ぶつかり合ってしまうというようなケースです。
それまで一人の子が遊んでいたおもちゃを横から割り込んで取り上げたり、自分がやっていた遊びのちょっと邪魔になるようなことをされたので突き飛ばしたり叩いたりしたというようなことでケンカが始まってしまいます。
ケンカの原因も子供の年齢とともに変化をしていくものです。
例えば3歳児ではおもちゃの「とった・取られた」がほとんどであるのに対し、4歳児以降になると意図的に誰かを攻撃したり、他の友だちと組んで仲間はずれにしたりといったような、他の子を巻き込んだケンカになったりします。
特にこの頃の子供というのはそれぞれの子によってかなり考え方や感じ方が違いますので、保育士も「どうせみんな何も知らない子供だし」といった甘い気持ちで対処をしていると、どんどん問題が大きくなってしまうようなことになります。
子供同士のケンカが起きた時の素早い対処法
子供のケンカでは、初動の対応が最も重要になります。
これは子育て全般に言えることですが、子供のしつけで一番やってはいけないのが、同じことをしても怒ったり怒らなかったりといったムラのある対応をしてしまうことです。
悪いことをしてもすぐその場では怒らず、時間が空いてから「そういえばあの時のことはね」といった過去のことを持ち出して叱るというのも同じく悪いしつけの見本です。
トラブルが起きたらすぐにそのことを発見し、その場で関係する子供たちを全員集めてどういった原因でケンカになったかということを、双方の話を聞きながら冷静に判断していきます。
このとき特定の子供を先入観で罰したり、どちらかを一方的に悪者に決めつけるようなことをしてはいけません。
また子供同士で起こったケンカについては、きちんとその日の連絡帳などで双方の保護者に伝達するようにしましょう。
子供の口伝えにケンカがあったことがわかると、のちのち保護者同士のトラブルの原因になってしまうことがあります。