男性保育士の存在が防犯対策になる
男性保育士の勤務を率先して行っている保育所で、そのメリットとして多く掲げられているのが防犯対策です。
池田小学校襲撃事件のような子供の集まる施設を狙った凶悪事件が起こっていることもあり、施設の防犯対策は全国的に大きな注目を受けています。
しかしながら本来防犯面の強化を目的としている「女性専用マンション」や「女性専用深夜バス」といったものが、逆に「女性しかいない」ということを外部に知らせていることから狙われやすくなっているという指摘があります。
保育所においても同様で、施設内に幼い子供と女性しかいないということが分かっているということは、いざというときに対処しようがないという不安があるでしょう。
実際のところ凶悪な犯人が紛れ込んだ時に男性が一人だけではできることも限られるのですが、それでも男性が一人いてくれるだけでかなり狙われる危険性は低くなります。
電話でのクレームも、(特に若い)女性が対応しているときは居丈高な態度をとっている人が、男性に代わった瞬間にいきなりおとなしくなるということはよくありますので、男性自身が思っている以上に男性がいるという存在感は絶大です。
男性保育士に娘の保育をさせることに反対する親も、防犯という点では男性保育士を認めています。
男女の役割分担ができる
男性保育士が増えている背景には、男女共同参画社会やダイバーシティ化という社会的な世論の変化があります。
男性であっても女性であっても同じく「保育士」として活躍をするということがその主旨ではあるものの、だからといって完全に職場内の業務や待遇が男女で一致するというわけでもありません。
むしろ平等ということばかりにとらわれて全く同じ業務をさせるということの方が、共同参画やダイバーシティという観点から間違った方向であるといえます。
全ての人に言えるというわけではありませんが、一般的な傾向として男性には男性の、女性には女性の得意な分野と不得意な分野とがあります。
少し踏み込んで考えれば、子供にとって子育ての現場に女性しかいないということの方が、平等や多様化教育ということで偏りがあるのです。
自分たちの身の回りのことを男性も、女性もしてくれるという環境を作っていくことこそが、子供の成長過程における社会的な平等を学ぶ大きなきっかけとなることでしょう。
男性保育士の担当として力仕事や子供と体力を使う遊び(虫取りや魚釣りなどの大きく体を動かすアウトドア)をしたり、女性と一緒に掃除や洗濯のような家事仕事をしていくという姿を見せるといったことです。
保育士たちが自然に男女の役割を上手に分担することが、子供にとっても精神面によい影響を与えるでしょう。