男性保育士の待遇

保育士は以前まで「保母さん」と呼ばれていたように、女性の仕事という意識が強く持たれてきました。

しかし「保父さん」と言われる今で言うところの男性保育士の仕事も実は30年以上前より行われており、男性ならではの保育を担当するという重要な役割を担ってきました。

ただしそうした社会的な有益性とは対象的に、待遇面ではかなり厳しい状況におかれてきたというのが実情です。

保育士全体に言えることですが給与面での待遇はかなり厳しいもので、同年代の民間企業の平均給与額をかなり下回った設定となっています。

2015年時点の調査によると、30歳の男性保育士の平均給与額は358.4万円となっています。
これは民間企業の会社員の平均給与額である428万円と比較をしてみれば、その差は一目瞭然です。

給与額が低い一方で現場における仕事の量は多く、イベントの準備や施設内の清掃点検業務のために毎日遅くまで仕事をしている保育士が大半です。

なお男性保育士としての平均勤務年数は5~6年となっており、女性保育士よりもさらに短期間で退職をしている人が多いことがわかります。

決して待遇だけで見て恵まれた職種ということは言えませんが、だからこそ本気で保育の仕事をしたいと考える人が現在の男性保育士の現場を支えていると言えます。

男性保育士としての仕事の将来性

男性保育士が占める割合は徐々に増えてきており、現在では現場で勤務をしている保育士のうち2~3%にまで達することもあります。

調査を開始した昭和60年からのグラフを見てみると、男性保育士が占める割合は右肩上がりとなってきており、既に保育所で勤務する男性を見かけることも珍しくなくなってきました。

女性の仕事として思われてきた保育士業務ですが、実際には力仕事が多く、また子供の生育環境において男性の役割は大変大きなものであることがわかっています。

男性が施設内にいるということだけでかなり施設の治安面にも安心感が出ますし、子供とその保護者にとっても喜ばしいことは多いのです。

しかし数が増えてきたからこその問題も起こっており、保護者の中には男性保育士のいる保育所を嫌がるというような例も出てきました。

とはいえ子育てに男性が介入するということは今や家庭生活において当たり前のことになっていますし、男性の力強さが子供の心理面において安定的な影響を与えます。

現在はちょうど過渡期といえる状況にあり、社会的な認知度がもう少し高まっていくことにより、保育の現場に男性がいることへの心理的抵抗感がなくなっていくのではないかと考えられます。

将来的に人数が増えることで待遇の改善も期待でき、職場内における環境もまた同様に上昇していくのではないかと思います。

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